パレットおおさき 大崎生涯学習センター

大崎と天文

記事番号: 3-69

公開日 2025年11月06日

更新日 2025年12月23日

2013年公開(内容、企画展示等は当時のものです)

大崎と天文 ~岩出山 旧有備館~

どうして星が輝くのか、太陽はどんな姿をしているのかなど、知りたいと思いますよね。
昔の人も同じように、宇宙や星のことを知りたいと思っていました。
江戸時代に天文学などを勉強した学校が、わたしたちの大崎地方に残されています。

(旧体験展示室「天文の宝箱」より)

大崎市岩出山「旧有備館」(きゅうゆうびかん、国指定史跡・名称)

旧有備館は、1692年(元禄5年)に、家臣の子どもたちの学校として立てられました。その時代のしきたりや礼儀を教える儒学(じゅがく)や漢学(かんがく)、歴史、和歌などといっしょに、天文学も勉強されていました。

地方領主がたてた学問所として残っているものでは日本で最も古く、また庭園もたいへん美しいため、国の史跡に指定されています。

(旧有備館は2011年3月の東日本大震災で母屋が倒壊してしまいましたが、2016年に復旧工事が完了しています。)

旧有備館の写真
美しい日本庭園にかこまれた旧有備館

旧有備館及び庭園は国の史跡名勝に指定されており、現存する日本最古の学問所です。

天文学者・名取春仲

岩出山出身の天文学者として、名取春仲(なとりはるなか、1758-1834年)という人がいます。

江戸時代の天文学は、星の動きを観察して季節や時刻を読みとり、「暦(こよみ)」をつくることが大事な仕事でした。

名取は、熱心に天文学を勉強して暦の本を書いたほか、たくさんの弟子を育てたといわれます。旧有備館の門人がつくったとされる天文儀(てんもんぎ)と地球儀が伝えられています。

また、仙台市博物館には、名取春仲が模写したとされる「坤輿万国全図・天文図屏風(こんよばんこくぜんず・てんもんずびょうぶ)」が展示されています。

有備館に伝わる天文儀

天文儀は天球儀ともいい、天を模型にしたもの。有備館に伝わるこの天文儀は、名取春仲が天文の学習に使用したものです。

天文儀には、たくさんの星と線が描かれています。今日私たちが親しんでいる西洋の星座ではなく、中国から伝わった星座です。しかし、つぶさにみてみると、線のひき方はちがっていても、星の位置は私たちが見慣れたものであることがわかります。昔の人も、今の私たちも、同じ星々をみていたのですから。

有備館に伝わる天文儀の写真
有備館に伝わる天文儀
(旧体験展示室展示モニターより)
有備館・天文儀の写真
有備館・天文儀
(旧体験展示室展示モニターより)
中国28宿の「鬼宿」(かに座)付近の拡大図

中国・日本古来の星座

1 歴史と特徴

中国の星座の歴史は約3000年前に始まったとされます。西洋の星座が動物や神様、人物、道具の「形」を表しているに対し、中国の星座は天帝(てんてい)を中心とする国のまとまりを形づくっています。中国の星座は、1個の星からなるものも少なくなく、数も300個以上にもなります。

2 二十八宿

私たちになじみ深い「誕生日の星座」は、太陽の通り道(黄道)にあたる「黄道12星座」。中国星座も、月の通り道(白道)にそって28の星座がつくられています。「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」です。

二十八宿は、月が27.5日で天球を1周することから、一晩ごとに1つの星座を動いていくように割り振られたもので、この星座を「星宿(せいしゅく)」とよびます。二十八宿の出発点は、おとめ座のスピカで、ここを「角宿(かくしゅく)」とよびます。

また、28の星宿は、東方・青竜(せいりゅう)、北方・玄武(げんぶ)、西方・白虎(びゃっこ)、南方・朱雀(すざく)というように、7個ずつの4グループに分けられています。青竜・玄武・白虎・朱雀は、奈良の高松塚古墳やキトラ古墳の石室にも描かれてるなじみ深い4つの獣神のことです。

江戸時代の星図
(旧体験展示室「天文の宝箱」より)
古代中国の星座図
古代中国の星座図(暫定版)をみる

3 空に描かれた、壮大な国家体系

夜空の中心・北極星は「天帝」の座。

北極星を中心とする北天の星座は「中官」で、位の高い順に「紫微垣(しびえん)」・「太微垣(たいびえん)」・「天市垣(てんしえん)」に分かれ、宮殿の庭園・官庁・役人から市場や庶民の生活の場へと代わっていきます。また、これらを「三垣」ともいいます。

北極星からずっとはなれた南の空には、「外官」とよばれる、二十八宿や周辺の星座がおかれています。

「岩出山の天文暦学者・名取春仲と古代中国星座の世界」

企画展示写真

名取春仲模写「坤輿万国全図・天文図屏風」(仙台市博物館蔵)のレプリカ、中国星座と現行星座の対照表をごらんください。※2013年当時の様子です。現在は展示されていません。

旧作品【プラネタリウム番組】
「岩出山の天文歴学者・名取春仲」

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